今日も快晴。雲ひとつない澄んだ青空に絶好の野球日和だなあと思いながら山本武は家である竹寿司を跡にして学校へ向かった。父である山本剛は自慢の息子を店の準備をしながら大きな声で見送る。今夜はごちそうだと付け加えて。山本はハハッと笑い、「楽しみにしとく」とだけ返した。
いつもと一緒の登校時間。いつもと変わらない四月下旬の今日。ただ違うことは―――
「みぃどーりたなーびく―なーみーもーりーのー♪」
ふと空から降ってきた聞き覚えのある歌声と学校の校歌に足を止めた。見上げると黄色い鳥―黒耀中の奴らと戦ったときにいた変なおじさん―――バーズの鳥だったのを覚えている。今は確か風紀委員長―――雲雀恭弥に懐いているのを山本は知っていた。
「おっ、ヒバリの鳥じゃん。ご主人は元気してるか?」
鳥は元気に周りを飛び回る。「おまえは元気いっぱいだな」と山本はハハッと小さく笑う。
「ヤマモト、オメデトオメデト」
ん?今のなんだ?
今ココにいるのは(正確にはツナの家に寄って学校へ向かっている途中だが)山本と鳥のみだ。
目が丸くなってしまったのは今日が自分の誕生日を祝う鳥のカタコトの唄がしたから。鳥がこんなふうに唄うのは誰かが教えたとしか考えられない。そしてこの鳥が懐いているのもこの並森町ではひとりしかいない。直接言わない彼なりの不器用な誕生祝いに山本は小さな笑みをこぼす。旋律にのせて空にあがっていくメロディに耳を澄ませながら、その足をまた動かした。
REBORN!山本×雲雀(山本誕生日ネタ)
*サイトより
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